The Story of GOOD FORTUNE
はじめまして。チャッキーこと、小川真一郎と申します。
新潟県佐渡島生まれ、趣味は料理とブルースギター。約20年間高校教師をしていました。そんな私が、なぜ今まで生きてきた世界とは全く異なるこのような店を始めようと思ったのか、そんなストーリーにお付き合いください。
大学卒業後すぐ、新潟県の公立高校の教壇に立っていた私ですが、1998 年にマレーシア工科大学に数学教師として2年間派遣されました。この時の体験が私 の人生にとって大きなターニングポイントとなりました。
多民族国家マレーシアの生活・文化そしてエネルギッシュな人々に刺激され、心の中から湧き出るように 外国生活への興味が急激に高まりました。
以来、頻繁に海外に出かけるようになり、マレーシア在任中、短期の休みをすべて利用して、近隣諸国、オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・タイなどを何度も 訪れました。また、マレーシアからの帰国後は、特に興味のあったロンドン・パリに何度も足を運びました。
もともと料理好きで美味しいもの探しが大好きな私にとって、どこの国へ行っても、地 元のグロッサリーや市場を廻り、その土地で食べられている美味しいものや珍しいも のを探すのが旅の楽しみの一つです。
レストランでよくわからないメニューと奮闘しながら食事をするよりも、美味しいものとワインを調達してきては、ホテルの自室で自ら調理をし、ディナーを楽しむほうがずっと楽しい!そんな旅を繰り返していました。
2002年12月。4度目のロンドンへの旅。
いつものように行き先は特に決めず電車に乗り、蚤の市やグロッサリー、商店街を廻る旅を楽しんでいたある日のことです。ロンドン北部郊 外のふと立ち寄った街ハムステッドで、運命のグロッサリーストアに出会いました。
外観は一見「自由が丘にあるおしゃれな雑貨屋さん」、そんな風にしか見えない、白を基調にしたか わいらしいお店でした。店頭には野菜が並んでいて、どうも食料品店らしい。
しかし、ロンドン・パリで今まで観てきたグロッサリーとは全く異なります。興味津々で店内に入ってみると、その瞬間から私のワクワクが止まらなくなりました!
店頭のディスプレイ・商品の陳列・ 照明など、どこを切りとっても絵はがきになりそうなかわいさです。乙女心(?)のように心がときめき、つたない英語で店主との会話を楽しみながら、狭い店内にかなり長時間いた気がします。
この食料品店がずっと気になり続けて8年、あの日のワクワク感と心のときめきがひとつの形になりました。それがGOOD FORTUNE FACTORYです。
かわいくて楽しくてワクワクする食料品店。豊かな気持ちになれて笑顔を持ち帰れ るような食料品店。ハムステッドのグロッサリーのワクワク感を再現するために、そんな思いを込めて店名をつけました。
店名にも関連して、GFFを出店するにあたり、大切にしていることがあります。
それは、「関わるすべての方に幸運が訪れる店にしたい」ということ。
私の生家は和洋菓子屋です。毎日朝早くから菓子を作り続ける父親 と家族の姿を見て育ちました。店頭に並ぶお菓子が、何人の手によってどのような過程のもと出来上がってゆくのか見ながら育ちました。
商売の現場では「お客様は神様」。お客様が最も大切にされているのはいつでもどこでも同じで当然です。しかし、それだけで商いは成り立ちません。 心をこめて作る職人がいて、それを丁寧に届けてくれる運送屋さんがいて、店頭に愛おしく陳列して接客する販売員がいます。どれを外すこともできません。すべてがセットで「商い」です。
ひとつの商品がお客様の手に渡るまでに関わる全ての方が笑顔になれて、すべて の方に幸運が届けられる、そうなって初めて「商い」は成り立つのではないかと 思うのです。
こんな思いで"幸運工房"GOOD FORTUNE FACTORY"が生まれました。
ぜひ末長く暖かく見守ってください。よろしくお願いいたします。
株式会社GOOD FORTUNE
代表取締役 小川真一郎
写真撮影 Chacky